新NISAが始まってから、積立投資の定番として人気なのが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称オルカン)と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本です。どちらも世界最高水準の低コストインデックスファンドで、迷うのは当然です。
そもそも何が違うのか
オルカン=世界の株式約3,000銘柄に分散
オルカンは、日本を含む全世界の約3,000銘柄に投資します。米国が約6割、日本が約5〜6%、残りは欧州・新興国。世界経済そのものに投資するイメージです。
S&P500=米国の大企業500銘柄に集中
S&P500は、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど米国の大型株500銘柄に投資します。米国経済が世界経済の中心である限り、高い成長が期待できます。
過去のリターンを比較する
直近10年:S&P500が上回る
過去10年の年率リターンは、S&P500が約13〜14%に対し、オルカンは約10〜11%。米国市場の好調を反映し、S&P500がリードしてきました。ただし、これは「米国が勝っていた」期間の結果にすぎません。
過去20年:ほぼ互角
2000年代のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックを含む20年で見ると、両者の差は大きく縮まります。日本の失われた30年から学べるのは、「過去10年が将来10年を保証しない」ことです。
リスクと為替の考え方
S&P500は下落時の振れ幅が大きい
構成が米国に集中している分、S&P500は上昇時も下落時も大きくなります。2022年の暴落では、S&P500は約25%下落しました。オルカンも下落しますが、分散効果で振れ幅はやや小さめです。
どちらも為替リスクがある
両方とも外貨建て資産への投資なので、円安になればプラス、円高になればマイナスになります。円安が続いた2022〜2024年は追い風でしたが、円高局面ではその逆です。長期(10年以上)で見れば、この点も織り込み済みと考えるのが一般的です。
手数料の差は誤差レベル
オルカンは年0.05775%(税込)、S&P500も同水準。1,000万円を20年運用した場合のコスト差は数万円程度で、選定基準にする必要はありません。
結局どっちを選べばいい?
「どちらかに決められない」ならオルカン
長期間(20年以上)続ける予定で、世界全体に分散しておきたいならオルカンが無難です。1本で完結するので、メンテナンスも不要です。
「米国の成長に賭けたい」ならS&P500
米国企業の強さを信じていて、下落の振れ幅を受け入れられるならS&P500です。リターンの上限は高くなりやすい一方、集中リスクも背負います。
初心者の現実解:オルカンを軸に、両方積む
新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)内なら、オルカンとS&P500を7:3や6:4で併用するのも手です。「分散×米国成長」の両方を取れます。金額は、まず月1万円からでも十分です。投資の始め方の基本は初心者向け投資ガイドで解説しています。
どちらを選んでも、一番の失敗は「悩みすぎて始めないこと」です。新NISAの非課税枠は毎年失効していくので、早く始めたほうが有利です。次のステップは新NISA成長投資枠のおすすめ銘柄をチェックしましょう。
FAQ
オルカンとS&P500、どっちが儲かる?
過去10年はS&P500が上回りましたが、20年で見るとほぼ互角です。将来の保証はなく、「米国集中の成長」か「世界全体の分散」かの好みで選ぶのが正解です。
新NISAでオルカンとS&P500を併用してもいい?
はい。つみたて投資枠(年間120万円)内なら併用可能です。7:3〜6:4の割合で積むのが一般的で、分散と成長のバランスが取れます。
オルカンはリスクが低い?
世界約3,000銘柄に分散しているため、S&P500よりは集中リスクが低いと言えます。ただし、株式である以上、暴落時は両方とも大きく下落します。
手数料の違いは気にすべき?
両者とも年0.05775%前後でほぼ差がありません。手数料より「何年にわたって積み続けられるか」のほうが、最終的な結果に大きな影響を与えます。